安息の本棚

本を読了した後の自分の感想を残しておきたいと思い立ち、このブログを始めました。                           コメントに関する返答は仕様上できないようですが、ありがたく拝見させていただいております。Twitterもやってます。 @teruhiro_tose

26.27.28『塩の街』『空の中』『海の底』

塩の街

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。

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「空の中」

200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とはーすべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。

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「海の底」

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていくージャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。

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26,27,28冊目は有川浩さん著「塩の街」「空の中」「海の底」です。

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全体の感想(※細かい感想は今回述べません。ネタバレ有り)

 

 三作とも再読です。と言っても読んだのが8年くらい前なので、ほぼ初見ですね。それでも大まかなストーリーは覚えていたのですが、初見のときとほぼ同じ楽しみを持って読了できたと思います。

 

 この三作は、有川浩さんの自衛隊三部作と呼ばれており、「塩の街」で陸自、「空の中」で空自、「海の底」で海自が主に活躍します。全ての作品で自衛隊のカッコよさがとても伝わるものとなっており、最初自衛隊の知識を全く持っていなかった僕は、読了後に自衛隊についてネットで調べたりしました。階級とかそれに伴う階級章とか見て「カッケーなぁ」なんて思ったりして。

 因みに一番好きなのは空自です。「ブルーインパルス」などご存知の方もいるかと思いますが、名前からしてもうカッコいい。you〇ubeなどの動画サイトで見ることができるので、是非。

 

 脱線しましたが、そんな自衛隊に焦点を当て、なおかつ恋愛要素を含ませた作品になっています。

 

 塩の街では塩害と呼ばれる、人が塩になる病気の中で、少女を守るために死ぬ覚悟を持ったパイロットの青年と、世界が壊れてもそれでも彼だけは死んでほしくないと願う少女の物語です。青年は空自ですが、青年と少女の周りにいる人々のほとんどは陸自の人々です。

 塩害は人が塩になる病気と書きましたが、意識のあるうちから肌から徐々に塩が吹き始め、体が硬くなっていき、自分の死期が目に見えて分かるのです。死ぬ直前になると、叩くだけ腕が取れるくらい脆くなります。怖すぎませんか。そんな世界で生きる人々の恐怖の心が伝わってきて読んでいて辛くなる時もありましたが、それでも共に生きようとする青年と少女の人生は応援し続けたくなります。

 

 「空の中」では高度二万メートルという極地に存在する、太古から生きる未確認生物との接触から始まります。

 接触というのは、会うというだけでなく、物理的に空自のパイロットが載っていた航空機がその未確認生物(超巨大)にぶつかり大破することでもあります。

 命を失ったパイロットの男性の息子と、日本産の航空機を製造している会社に勤める青年が主人公で、二人の視点から物語は進みます。

 そして、男性の息子は幼馴染の少女と、青年は空自の女性パイロットとの恋が発展していくのですが、どちらの女性も男性陣より逞しく、「なんだこのカッコいいヒロイン達は(笑)」と思わず呟いてしまいました。

 カッコいい女性とカッコいい空自が両方楽しめてお得ですね!

 

 

 「海の底」では巨大化した甲殻類(通称:サガミ・レガリス)が餌を求めて日本の相模湾に上陸し、逃げ遅れた子供たちと、彼らを助けようと潜水艦の中に逃げさせた海自の二人の青年の、辛い生活が書かれています。  

 食料は十分な蓄えがあったとはいえ、ニュースでは自分たちのいる潜水艦の周りを這いまわる巨大な甲殻類が映し出され、子供たちの中には問題を抱えた者が数人おり、不安にならずにはいられません。そして子供たちを助けるためにレガリスに命を奪われた上司をもつ海自の青年二人。

 精神が擦り減る中で、それでも上司が命を懸けて救った子供たちを無事に親もとへ返すため、涙を流すことも堪えて奔走する青年の姿を読んでいると、自然と応援したくなります。

 

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 この三作をデビューした間もない時期に書いた有川浩さんには尊敬します。以上です、ありがとうございました。

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 昔無かった感性を持って読むとまた違った面白さがあると思うのです。ということで、しばらくは昔読んだことがある本を再読していこうかと思います。

 そして、四月になりましたね。新しいづくしの毎日が始まりますが、関係ありません。いつも通りの自分でいるだけです。

 因みに僕の座右の銘は”なんとかなる”です。考えていても行動しなければ意味がないし、やってみれば案外うまくいくものです。考えすぎず、証拠もないし不安はあるけど、「まぁなんとかなるでしょ」と思って取り組むことにしています。なんとかならないものは無いと思って生きています。バカみたいですが、僕はこの考え方が好きです。どうでしょう。