2.『リスクに背を向ける日本人』
たまに新書も読みます。
①ざっくり解説
ハーバード大学の社会学部教授であるメアリー・C・ブリントン氏、社会心理学者である山岸俊夫氏の二人の対談の形をとって書かれています。対談の中心は日本の若者だけでなく日本社会全体に広がっている「リスク回避傾向」についてであり、主に日本とアメリカの国民性や社会性の違いから、問題を掘り下げています。
②気になった点
1.日本人は責任が自身にかかること等を恐れてリスクを避ける傾向は、世界でもトップであること
これは、日本人の消極的な、内向的な国民性からもたらされるものであるのですが、それだけではなく、日本社会自体にも問題があります。それが、セカンドチャンスが少ないこと、つまり、一度失敗したら再び成功できる道が少ない社会(うまく言葉にできない)になってしまっているということ。労働に関して言えば、日本人は一度リストラされたらそこですべてが終わってしまうという意識が強く、セカンドチャンス(再就職)などというものはあまり存在していないと思い込んでしまっている(最近は景気が良いのでそう考える人はそれほど多くないのかも)。しかし、アメリカでは新卒が重要という意識が無く、再就職者であっても知識と技術があれば新卒者と対等に就活に臨むことができます。
2.人間関係について
基本的に日本人は狭く深く、アメリカ人は広く浅い人間関係を構築しています。それぞれ長所があると思いますが、狭く深くの短所を挙げます。
「狭く」得られる情報が少ないので偏る恐れがある
「深く」相手に提供した役割や立場について、提供した自分自身も責任を感じてしまう
だいたいこんな感じです。「広く浅く」だとこの逆になります。この「広く浅く」の精神(本書ではウィークタイズと書いて弱い結びつき)を日本人も取り入れることで、多くの責任を感じず、自由な社会生活が送れるのではないかと考えられています。
3.周りの目について
日本人は周りが自分をどのように見ているかを強く意識してしまうあまり、本当にやりたいことを行動に移せないことが多々あります(自分は残念ですがそのうちの一人です)。そのせいでコミュニケーションをうまくとれなかったり、自由な生活を送れないなんてことにもなっています。空気を読むなんて言いますが、それに固執しすぎて意見や主張も伝えられない…。例えばアンケートに答える時にも「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3項目があれば、どちらの意見にも傾くことのできる「どちらでもない」を選ぶ人が世界的に見ても圧倒的に多い…。日本人はそういった自己主張が弱い種族だということです。
③意見
この3つの点だけでなく他にも多く書かれていましたが、とにかく日本人は安定志向が他国に比べて強いように感じました。途中読んでて「自分もこの志向にばっちりあてはまっているなぁ」と感じて途中読むのが辛かったです(笑)。ただ、日本ディスだけではなく、日本人の良いところも書かれているので安心してください。
しかし、実際自分もアメリカ人志向で行動できたらなと思うことも多いので、これを機に少しでも積極的に、外交的に生きていけるよう努力していきたいです。
これで以上です、ありがとうございました。
あぁ文章書くの下手だなぁ。