安息の本棚

本を読了した後の自分の感想を残しておきたいと思い立ち、このブログを始めました。                           コメントに関する返答は仕様上できないようですが、ありがたく拝見させていただいております。Twitterもやってます。 @teruhiro_tose

33.『珍樹図鑑』

珍樹ハントとは、樹木幹や枝に、動物や有名人にそっくりな模様や形を見つけること。なんともバカバカしいこの遊びに魅せられ。珍樹ハンターとなった著者はこの道十数年。二千点を超えるコレクションから、実物に「会い」に行きたくなるような写真を大公開! …

32.『火の粉』

「「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」 元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い……。武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴む。しかし梶間家の周辺…

31.『僕のメジャースプーン』

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チ…

30.『色のない島へ』

先天的に色彩感覚をもたずモノトーンの視覚世界で暮らす人々がいるピンゲラップ島とポーンペイ島。原因不明の神経病が多発するグアム島とロタ島――脳神経科医のサックス博士はミクロネシアの閉ざされた島々に残る風土病の調査に訪れる。島の歴史や生活習慣を…

29.『八日目の蝉』

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中…

26.27.28『塩の街』『空の中』『海の底』

「塩の街」 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?…

25.『残像に口紅を』

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい……。 言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断…

24.『聖の青春』

重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた”怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感…

雑談4

忙しい時期は終わったとぬかしながらブログに読書感想を書いていないですね、すみません。 以前図書館で本を7冊借りて読み進めてはいるのですが、返却期間にぎりぎり間に合うかどうかって状況で長々と感想を書いている時間が無いというのが言い訳です。 ツイ…

23.『ゾウの時間 ネズミの時間』

動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズ…

22.『僕と妻の1778話』

「妻が、悪性腫瘍のために余命一年と告げられた。作家の夫は、妻に余計な心配をかけないようにする以外、出来ることはない。せめて、毎日気持ちの明るくなるような話を書いて、読んでもらおうと考えた───。第一回『詰碁』から一日一話えお妻に捧げ、『最終回…

21.『アドラー心理学入門』

21冊目は岸見一郎さん著「アドラー心理学入門」です。 構成は 第一章 アドラーはどんな人だったか 第二章 アドラー心理学の育児と教育 第三章 横の関係と健康なパーソナリティ 第四章 アドラー心理学の基礎理論 第五章 人生の意味を求めて となっています。 …

20.『ラッシュライフ』

「泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場───。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、そ…

19.『自助論』

「「どんな仕事でも、有能な人間になるには次の3つが欠かせない。それは天性と勉強、行動力だ」という格言があるが、ビジネスでは、頭を使い、情熱をもって実践していくことが成功の秘訣だ。どんなにありきたりでつまらないと思われることでも、決められた仕…

18.『夜のピクニック』

「高校生活最後を飾るイベント「歩行祭り」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために───。学校生活の思い出や卒業後…

17.『桐島、部活やめるってよ』

「田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。そこから、周囲の高校生たちの学校生活に小さな波紋が広がっていく。バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ…

16.『新版 うつ病をなおす』

16冊目は野村総一郎さん著「新版 うつ病をなおす」です。 本書は8章で構成されています。(以下記載) 1章 うつ病の症状と診断 2章 メランコリー型うつ病 3章 現代うつ病 4章 特殊なタイプのうつ病 5章 うつ病との鑑別が必要な病気 6章 治療メニュー 7章 う…

15.『夜は短し歩けよ乙女』

「「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する”偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは…

14.『博士の愛した数式』

「[ぼくの記憶は80分しかもたない] 博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた───記憶力を失った博士にとって、私は常に”新しい”家政婦。博士は”初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息…

13.『何者』

「就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから───。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるよう…

12.『妻を帽子と間違えた男』

「妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける老婦人───脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害…

雑談3

最近読書の時間をあまりとれておらず、次の読書感想はもう少し先になりそうです。 _________________________________ 先週ふと「読んだことのある小説が原作になっている映画を観てみたいな」と思い、DVDをレンタルしてき…

11.『空飛ぶ広報室』

「不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もあつ先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い……。ダ・ヴ…

雑談2

ブログの書き方について ブログ開始当初に、『自分のために書きます』と書いてあった通り、ネタバレとかは特に気にせず書いていたんですが、ありがたいことにこのブログを見て下さる方がいらっしゃるので、少しこのブログについて残しておきたいと思います。…

10.『入門 犯罪心理学』

「本書は、ここ三十年ほどの間に目覚ましい発展を遂げている犯罪心理学の最前線をわが国に紹介することはもちろん、その知見をわが国の犯罪対策にも取り入れて、犯罪の理解と防止のために少しでも資することができればという願いを込めて書かれている。」 10…

9.『浜村渚の計算ノート 8冊目 虚数じかけの夏みかん』

「横浜で謎解きイベント「私立赤煉瓦学園」にエントリーした渚と武藤。街中に隠されたヒントを探し、盗まれた”学びの夏みかん”を奪還するゲームだ。イベントの主催者は、悪名高いドクター・ピタゴラスの教え子。そして「黒い三角定規」首領が追う、あの男も…

8.『死神の精度』

「①CDショップに入りびたり②苗字が町や市の名前であり③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろうとしない一一一そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。ク…

7.『知の逆転』

「学問の常識を覆した叡知6人。彼らはいま、未来をどう予見しているか? 科学の意義と可能性など、最も知りたいテーマについて語る興奮の書!」 7作目は吉成真由美さんインタビュー・編「知の逆転」です。 ①ざっくり解説 元NHKディレクターである吉成真由美…

6.『光の帝国 常野物語』

「膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちからー「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼…

5.『明日の記憶』

「広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い…