安息の本棚

本を読了した後の自分の感想を残しておきたいと思い立ち、このブログを始めました。                           コメントに関する返答は仕様上できないようですが、ありがたく拝見させていただいております。Twitterもやってます。 @teruhiro_tose

15.『夜は短し歩けよ乙女』

f:id:raito-se:20171214005259j:plain

 

 「「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する”偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件」の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!」

 

 

15冊目は森見登美彦さん著「夜は短し歩けよ乙女」です。

 

_______________________________

 

①全体の感想(ネタバレ無し)

 黒髪の乙女と先輩、二人の視点から交互に物語は進行していくのですが、二人の心の声がたまに読者に語りかけているところが多く、こういうのあまり無いなーなんて思いながら読んでました。

 先輩は黒髪の乙女に振り向いてもらうために必死になるのですが、彼自身の性格に少し問題があります。ですが、そんなでも自分の愛を伝えようと奔走する姿は、徐々にカッコいいのかな?と思わせてくれます。

 

 他の登場人物にも癖が強い人が多いのですが、その「癖の強さ」がすごいというか、度が過ぎるだろ!と言うくらいです(笑)。結構な数のキャラがいますが、読み終えて数日たった今でもほとんどしっかり覚えていますね。

 

 

②気になった点 (※ネタバレ有り)

 

 ・黒髪の乙女と先輩

  先輩は、心の中で思っていることとか乙女がいないところだと、中々のものです。悪い意味で。ソフトクリームを食べていた子供にぶつかったときはその子供に毒づいたり、演劇の最後の演目のトリを奪ったり、その他色々…。

 実際読み始めたときは「この先輩と乙女は最終的に仲良くなるんだろうけど、くっついてほしくないなー」なんて思っていました。でも読み進めていくと、この先輩の乙女に対する愛情は結構な重さであることが分かってきて、応援したくなりました。乙女の求める絵本を手に入れるためにあつあつ鍋を食べ続けたり、なるべく彼女の目に入るように情報を収集し、その場に偶然を装って居合わせたりです。

 その努力、確かなものです(上から目線)。

 

 黒髪の乙女は先輩と反対の性格と言えばいいのでしょうか。純真無垢という言葉が具現化したような存在です。人の言ったことは、「いやそれは嘘でしょ」とすぐわかるようなことでも簡単に信じてしまい、疑いません。

 ただ純真であるだけでなく、とても好奇心も旺盛であり、少しでも興味が湧いたことにはずんずん進んで行っていくタイプです。

 この純真さと行動力に先輩は惹かれたのでしょうか。

 

______________________________

 

以上です、ありがとうございました(これじゃただの人物紹介じゃないか)。

______________________________

 

 

読了後、ブログを書く前に次の本に手を出してしまい、ブログを書き始める頃には読了してから三日以上経っている状況になっています。我慢ができません。なるべく気を付けます。でも仕方ないね、仕方ない。