安息の本棚

本を読了した後の自分の感想を残しておきたいと思い立ち、このブログを始めました。                           コメントに関する返答は仕様上できないようですが、ありがたく拝見させていただいております。Twitterもやってます。 @teruhiro_tose

21.『アドラー心理学入門』

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  21冊目は岸見一郎さん著「アドラー心理学入門」です。

 

構成は

第一章 アドラーはどんな人だったか

第二章 アドラー心理学の育児と教育

第三章 横の関係と健康なパーソナリティ

第四章 アドラー心理学の基礎理論

第五章 人生の意味を求めて

 となっています。

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①全体の感想(※ネタバレ無し)

  アドラー心理学には以前から興味があったので、入門と名のついた本書を購読しました。著者の岸見一郎さんのお名前も有名でしたので、それも決め手でした。

 

 入門というだけあって知識を余りもたない僕でもほとんどすらすら読めましたし、これから生きていく上で参考になることも多く書かれており、大変充実した読書時間でした。

 

 僕は普段から気になった箇所には小説だろうと実用書だろうと付箋を貼ることにしているのですが、この本に貼った付箋の場所は、以後何度も読み返そうと思います。特に第二章と五章ですかね。育児と教育、人生を生きていく上で大切だと思う考え方が載っており、参考になります。

 

 

②気になった点(※ネタバレ有り)

 それでは、上述した第二章と五章について書いていきます。

 

・育児と教育について(第二章)

  まず育児の行動面の目標として、

 一、自立する

 二、社会と調和して暮らせる

 ということ。

 そしてこれを支える心理面の目標として、

 一、私は能力がある

 二、人々は私の仲間である

 という目標を提示します。

  これらの目標を達成させるために子供をどう援助していけるかが重要になります。

 

一例として、子供がいたずらをした場合を考えます。その場合、本書に載っているものとして

・罰しない

・適切な行動に注目する

・ほめるのではない

 の三点が重要であると僕は感じました。

 

 一つ目の罰しないというのは、罰することにより、いたずらをしていれば親や教師に注目される、見捨てられないで済むと考えるようになり、いたずらを継続してしまうからです。

 罰の効果は一時的であり、罰せられると自分には能力がないと思うようになり、自分には居場所がないという気持ちを強くしてしまいます。

 

 二つ目の適切な行動に注目するというのは、罰しないの逆であり、適切な行動をすることによって注目を集められるのであれば、不適切な行動は次第に減っていきます。

 

三つ目のほめるのではないというのは、能力のある人が能力のない人に、上から下に相手を判断して評価することだからです。褒められたときは嬉しいが、褒められなかったときは自分には能力がないと強く思ってしまいます。

 でも実際褒めないけど適切なことには評価をするというのは難しそうですね。

 少し自分で考えてみたのですが、「よくできたね」ではなく「ありがとう」や「助かった」などの表現を使えば課題はクリアできそうな気がします。どうなんでしょ。

 

 

・人生の意味を求めて(第五章)

  自分なりに簡単に解釈して書くと、自分のことをよく思わない人がいるということは、それだけ自由に生きているということであり、他人を気にしてはいけない、失敗を恐れてはいけない、その代わり、その自由に生きた結果起こる責任は全て引き受けなければいけない、という感じでしょうか。

 他人の目を気にして生きるということはそれだけ自分のしたいことを制限することになるでしょうし、失敗を恐れて新しいことにも挑戦しようという気持ちが無くなってしまいます。

 

 僕も結構人の目を気にする方なので、これからは本書の内容を思い出して自分の好きなことを自身を持って取り組んでいけたらなと思います。

 

もう一つ気に入ったのが、

 嫌だと思っている人と付き合うときに、この人のこと嫌な人だ、と思って付き合い始めると、その人との付き合いはそういう付き合いにしかなりません。(略)ですから、一度、これまでのことはすべて水に流して、今日私はこの人と初めて会うのだ、と思ってみるのです。(略)そうすると過去はもうないわけです。(略)一週間前どころか昨日すら存在しないと考えてみると、たしかにこの人は、嫌なことをいったかもしれないが、しかし今日同じことをこの人がいう、あるいは、するとは限らないわけです。そう思って付き合い始めます。そうすると、思いもかけない発見があります。そのように思えて初めて、その人との時間は死んだものではなく、生きたものになります。

 

 

 これは本書を読んでいた中で一番ハッとさせられたものでした。嫌だと思っていた人でも会ってみれば意外と気が合う人だっていますし、嫌なことをされた、言われたことがあっても本人に悪意があったか分かりません。そう考えると、初めて会う人だと思って付き合い始めてみるというのは効果的ではないかと思いました。

 それに、嫌な人だと思って接しても自分が辛いだけですし。

 

 

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以上です、ありがとうございました。

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久しぶりの更新でした。

読書感想を書くときは時間的にも気分的にも余裕があるときに書こうと決めているので、最近はそれが無かったということです。

 

まだ完全に余裕があるわけではないので更新は遅いかもしれませんが、このブログはちゃんと続きます。それでは。